VxRailのAPIを使ってクラスターシャットダウン & iDRAC パワーオン
この投稿はvExperts Advent Calendar 2019における19日目の投稿です。
adventar.org
はじめに
Dell EMC VxRail(以下、VxRail)でサポートするREST APIを使い、VxRailのシャットダウンを行います。
最後にはおまけで、iDRACからのパワーオンも行っています。
経緯
以前までVxRailのシステム停止は、VxRailを管理するコンポーネント「VxRail Manager」の管理画面(GUI)もしくは「vSphere Client内のVxRailプラグインメニュー」からの停止のみサポートしていたため、外部からのシステム停止を行う際はVMware vSANのナレッジを基に各自で工夫したシャットダウンプロセスを用いてVxRailを停止していました。
VxRail 4.7の初期リリース後、VxRail ManagerへのREST API機能が次第に実装/公開され、現在ではバージョン4.7台だけでなく、4.5台でも4.5.3xxからサポートされています。
これにより、社内の運用管理システムやUPSと連携して容易にVxRailを停止することが可能になりました。
今回はそのVxRail API シャットダウンを実際に行ってみたいと思います。
環境情報
やること
やることはとてもシンプルです。
大きく分けて2つのことを実施します。
管理コンソールとVxRail ManagerおよびvCSA間でネットワークの疎通性があることが大前提です。
前提プロセス:ゲストVM シャットダウン
まず、ゲストVMのシャットダウンを行います。
VxRailのシステムコンポーネントを除く、すべてのゲストVMをシャットダウンします。
- VxRailシステムコンポーネントとは…
- 本投稿ではVxRailのセットアップや、セットアップ後にVxRail Managerによりデプロイされたコンポネートのことを指しています。これに該当しない仮想マシンはすべてクラスターシャットダウン前に停止しておく必要があります。
- vCenter ServerやvRealize Log Insight、SRSはセットアップによりデプロイされるケースとそうでないケース(非システムコンポーネント)があるため、事前に停止しておくVMとそうでないVMに注意します。
- VxRail Manager Marketplaceでデプロイされたインスタンスもまた非システムコンポーネント(多分)のため、ゲストVMという扱いで事前に停止します。
▼今回、検証したVxRailのシステムコンポーネント
コンポーネント | 仮想マシン名 |
---|---|
VxRail Manager | VxRail Manager |
vCSA | VMware vCenter Server Appliance |
vCSA(PSC) | VMware vCenter Server Platform Services Controller |
SRS | ESRS_VE.x86_64 |
ゲストVMのシャットダウンスクリプトについては、VMware PowerCLIやWindows PowerShellによる実装の他、最近ではvCenter ServerもREST APIに対応しているようです。ゲストVMの停止順序等、各社のお作法に併せてご実施ください。
システム停止:VxRail API シャットダウン
すべてのゲストVM停止後、VxRail ManagerのAPIに対しクラスターシャットダウンを指示します。
管理コンソールから以下のコマンドを実行します。
- VxRail Manager認証情報を設定
※変数の値はVxRail環境に併せて適宜変更が必要です
gist.github.com
- VxRail クラスターシャットダウン
vSphere Clientで状況を確認するとシステムコンポーネント群のシャットダウンが始まったことが確認できます。
この後、vCSAの停止によりvSphere Clientへのアクセスができなくなり、すべてのESXiホストが停止したことを確認しました。
以上でVxRailのクラスターシャットダウンは完了です。
おまけ{システム開始:iDRAC パワーオン}
VxRailの遠隔によるパワーオンは、iDRACを使って行うことができます。
VxRailの場合、電源投入後10数分前後でシステムコンポーネントのサービスが自動で起動しますので、あとはゲストVMをお作法に則って起動していけば完了です。(もちろん、スクリプトを使った自動化も可能です)
今回、iDRACに対しては管理コンソールからSSHログインしまして、RACADMコマンドを実行しています。
(現時点では、ほぼ最新のiDRAC 9 Ver3.36.36.36のAPI Guideを見てもRESTでのパワーオンに対応していない模様)
事前準備
- SSHキー設定
※iDRACのIPはVxRail環境に併せて適宜変更が必要です
gist.github.com
※変数の値は実行環境に併せて適宜変更が必要です
gist.github.com
参考 資料/URL
VxRail API Guide
https://support.emc.com/docu91468_VxRail-Appliance-4.5.x-and-4.7.x-API-Guide.pdf
※Dell EMCアカウントによるログイン要