VxRail 7.0.200 リリースノートから新機能についてメモる
2021年5月某日、VxRail 7.0.200がリリースされました。
vSphere 7.0 Update 2が初めて組み込まれた新バージョンとなります。
Dell Technologies社によるVxRail 7.0リリースノートへのリンクはこちら。(Dellアカウントでの事前ログイン要)
https://dl.dell.com/content/docu98130
各コンポーネントバージョン
VxRailを新規インストールした際に導入されるバージョンは以下のとおりです。
VxRailソフトウェアアップグレードでこれらのバージョンにアップデートが可能ですが、Log InsightとSRSはだけは手動でのアップデート対応が必要です。
-VMware ESXi 7.0 Update 2a GA build 17867351
-VMware vCenter Server Virtual Appliance (vCSA) 7.0 Update 2a GA build 17920168
-VMware vSAN 7.0 Update 2a GA build 17867351
-VMware vRealize Log Insight 8.2.0.0 GA build 16957702
-Dell EMC SRS 3.48.00.04
新機能
リリースノートの記載について、調べられたor想像できた範囲でコメントしています。
コメント内容の正確性は保証できませんのでご了承ください。
◆vSAN
- Support for HCI Mesh compute-only clusters
コンピュートオンリークラスターを使ったHCIメッシュをサポートしました。
これまではVxRailクラスターにのみHCIメッシュを提供可能とあまり使い道の無い提供条件でしたが、7.0.200からはその制約が無くなり、VxRailでないサーバーに対しvSANのストレージリソースを提供することができます。
HPE ProLiantといった他社サーバーに対してもHCIメッシュは可能ですが、その利用について、当然ですがVxRail(Dell社)はサポートしません。
本機能を使う場合、現状ではVxRail側でvSAN Enterpriseエディション以上のライセンス適用が必要です。 - vSAN support for vSphere’s native Key Management Server
vSAN 7.0 U2にて、vSphere(vCenter Server)のKMSでvSANデータの暗号化を行います。
現状ではvSAN Enterpriseエディション以上のライセンス適用が必要です。 - Enhanced analytics and metrics for vSAN file services
vSANファイルサービスの分析とメトリック機能が追加されました。 - Support for vSAN over RDMA (Remote Direct Memory Access; Mellanox CX4 and CX5 NICs only)
vSAN 7.0 U2にて、vSANによるRDMA機能がサポートされました。
RDMAというとサーバー間のメモリ情報を送りあうため、RDMAに対応したNICが必要となりますが、現状対応しているNICはMellanox CX4、CX5のみらしいです。 - Support for larger stretched clusters (20 nodes each for primary and secondary sites)
vSAN 7.0 U2にて、大規模のストレッチクラスターをサポートされました。
プライマリサイトとセカンダリサイトで、各々20ノードまでサポートされるそうです。 - Improved disaster recovery, as virtual machines will run on the secondary site until the primary site’s data is recovered
vSAN 7.0 U2にて、ストレッチクラスター(Fault Domain)を意識したDRSが可能になり、プライマリサイトのデータ復旧中はセカンダリサイト側で仮想マシンを起動し、障害の起きたサイトを回復にさせることで復旧を早めます。 - Support for the VMware Skyline health diagnostics for vSAN
ログをVMwareサポートに送ることで問題が無いかを早めに検知することを目的とした診断ツールがvSAN用もサポートした模様です。VxRailのvSAN部分をサポートするのはDell社になりますが、VMware社と連携されるのかは不明です。 - Improved availability through vSAN, maintaining the latest data redundantly during an unplanned outage (for mirrored and erasure coding configurations of vSAN)
vSAN 7.0 U2にて、ホスト障害が発生した際、ホストが起動するまでの間に追加/更新されたデータを冗長化しておくことで、復旧にかかる時間の短縮を測ります。
◆vCenter Server
- Support for Enhanced Link Mode for VxRail internal vCenter Server Virtual Appliance during day-to-day operations
VxRail内部vCenter構成において、デプロイ後でもエンハンスドリンクモードの有効化がサポートされました。
以前、7.0.100でサポートされた際はVxRailのセットアップの際での有効化しかサポートされていませんでした。
◆Serviceability
- New events reported to support Intel Optane DC Persistent Memory
Intel Optane構成時のイベントレポート出力がサポートされました。 - Improved dial home logic for certain types of power supply (PSU) faults
特定のタイプのPSU障害における通知ロジックを見直したそうです。
◆VMware Cloud Foundation (VCF) API Support
- Added a public deployment API to show available nodes and provide automatic population of the VCF deployment VCF JSON file
- Automated configuration of Network Time Protocol and Domain Name Service (DNS) protocols through API support
◆Hardware component lifecycle management:
- Physical view support for Seagate Lange BP vSAS SSDs
vSphere Clientでの物理ビューで、Seagate製のvSAS SSDをサポートしたそうです。 - LCM Intel 10Gb X550 2P Base-T PCIE NIC on the VxRail D560 and D560F
LCM(ソフトウェアアップグレード)において、追加NIC「Intel 10Gb X550 2P Base-T PCIE」を搭載したVxRail D560およびD560Fをサポートしたそうです。
VxRailのAPIを使ってクラスターシャットダウン & iDRAC パワーオン
この投稿はvExperts Advent Calendar 2019における19日目の投稿です。
adventar.org
はじめに
Dell EMC VxRail(以下、VxRail)でサポートするREST APIを使い、VxRailのシャットダウンを行います。
最後にはおまけで、iDRACからのパワーオンも行っています。
経緯
以前までVxRailのシステム停止は、VxRailを管理するコンポーネント「VxRail Manager」の管理画面(GUI)もしくは「vSphere Client内のVxRailプラグインメニュー」からの停止のみサポートしていたため、外部からのシステム停止を行う際はVMware vSANのナレッジを基に各自で工夫したシャットダウンプロセスを用いてVxRailを停止していました。
VxRail 4.7の初期リリース後、VxRail ManagerへのREST API機能が次第に実装/公開され、現在ではバージョン4.7台だけでなく、4.5台でも4.5.3xxからサポートされています。
これにより、社内の運用管理システムやUPSと連携して容易にVxRailを停止することが可能になりました。
今回はそのVxRail API シャットダウンを実際に行ってみたいと思います。